
ここでは、一年前のアンケート結果との比較で著しい変化がみられておりまして男女とも積極的に参加するという選択肢(1)が大幅に増加しております。特に女性では約四倍の増加がみられておりまして土曜休業は、月二回の二連休が保証されている訳です。そのために、時間的、精神的なゆとり余裕が生まれて、その休日のうちの一日を部活動のために練習会、又は大会等に使っていくということが余裕になった結果だというように考えられます。その傾向は休養日が増え週五日制の完全実施に向けて、更に加速されていくと考えられます。
(8) 問8について
部活動指導上の問題点をきいている設問です。
この中で増加傾向にあるのは選択肢(1)の公務が多く指導時間が確保できない。それと(3)精神的、身体的にゆとりがなく指導時間がとれない。
それと(9)家庭の都合で指導する時間がとれないの三つが増加傾向になっております。この三つは、いずれも指導者の個人的なゆとりにかかわる問題でして、その他の生徒側の問題であるとか、施設、設備の問題や学校体制の問題はどちらかといえば減少傾向を示している中ではっきりとした対比のできる結果が表れているようです。週五日制の過渡期の中で日々の公務の密度が増して時間的、精神的なゆとりが指導者の方になくなってきているという傾向があらわれています。
(9) 問9について
将来の部活動の方向を社会体育と学校との教育の範囲内を同様な兼ね合いでやって行こうかという設問ですが、前回の調査とほぼ同じ傾向がみられておりまして、社会体育に移行してほしいという選択肢(1)が男女とも6割を越えているという結果が表れております。間1の方で中学校教育にとって部活動が大変大切で意義があるという結果が出ていますが、それと矛盾しているように思われます。
現在の学校部活動の中で色々なものが求められておりまして、生涯スポーツの基礎づくり、技術の向上、対策の土台、生徒の健全育成、非行防止、それから私情では、つくりにくい人間関係の確立など数多くの期待がよせられています。それらすべてを部活動の範囲内で満足させるには、かなりの指導技術であるとか、時間や労働が要求されることになります。これからの方向としては、社会体育の基盤が整備されてくれば学齢期の子ども達が地域でスポーツ活動に参加して学校での部活動、それから社会体育内でのスポーツ活動、それぞれ役割を分担していくようになれば社会体育、学校体育の連携をとっていき、効果的な指導体制ができてくるという期待がもたれます。
しかし、完全に社会体育に移行できるかどうかを考えると、全日中を頂点とした各大会を目標として今学校部活動が進んでいる中で社会体育へ完全な移行というのはあくまでも理想的なものであって、現在の部活動というものをなくしては中学校のスポーツ活動というのは考えられないだろうというふうに思います。
(10) 問10について
社会体育で指導者としてあなたは参加できますかという設問ですが、積極的に参加するという選択肢(1)は男女とも2割です。時々参加するという(2)を選んだのは男性5割、女性3割という結果でした。
現在、地域スポーツの基盤整備がまだ十分ではありませんので具体的な際に要請された場合のことはわかりませんが、教委が学校ならびに地域の指導者として活躍していく場面がこれからは増加してくるのであろうとは思います。
しかし、現段階では、部活動の効果的な運営に頭を痛めている指導者がかなり多い中で部活動と社会体育の両方を担当していくというのはかなり無理のあることではないかと考えます。
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